電磁波の健康被害がいわれるようになってきた今、一番怖いのは何の知識もなく電磁波は健康被害を起こすものだと決めつけてしまうことです。
本当に健康被害を起こすものなら、起こさないような対応を取るのが必要ですし、大きな健康被害をもたらせないのであれば、それほど神経質にならなくてもいいのではないでしょうか。
そもそも今では普通の家庭によくあるパソコンやIHクッキングヒーターなどの、多くの家電が電磁波を発しています。
健康被害を起こすといわれている電磁波とはいったい何でしょうか。
電磁波が起こす身体への影響や、少しずつ増えてきた電磁波過敏症の症状などを解説して行きます。
それらを読んで本当に電磁波が危険なのか心配不要のものなのかを判断してください。
電磁波とは一体なんなのでしょう
難しく言えば電磁波は物理的因子のひとつとなりますが、簡単に言うと電気が流れるところに必ず発生する波ということになります。
地球でも電気が流れているので磁場が発生しています。
南極と北極ですね。N極とS極の間には磁場を通じて磁力が働きます。
コンパスが必ず北を向く原理になります。磁力が働いている周辺には電磁波が発生します。
つまり、地球も電磁波を発生しているのです。
極点近くになると電磁波が協力になり、太陽からの太陽風を浴びると、電磁波が反応してとても不思議な現象を起こします。
それをオーロラといいます。
普通の家電でも電気を使ったものであれば、電気があるところには電界が生まれ、電流が流れると磁界(磁場)が生まれます。
電界と磁界が空間を伝わって行くのが電磁波です。
■電磁波による誘電
ラジオ、テレビ、無線、携帯電話では普段は待機電力で本格的に動いていませんが、電磁波を受けて初めて誘電が起きています。
アンテナが電磁波(電波)を受信することで、電流がアンテナに流れることで本来の働きをします。
■電磁波による熱作用
電子レンジはよく使うのですが、実際にどんな原理で動いているのかはわからないものです。電子レンジの中は水分子が動く電磁波の波長を出すことで、温めたいものの水分子を動かし、熱を発生させる装置です。
そのため食品中の水分子の温度を上がるので、食べ物を手軽に温めて食べる事ができます。
また電磁波は波長の短い方から、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波に分類されます。
電磁波のほとんどは目で見ることは出来ません。ただ、可視光線と赤外線は見ることができます。
電磁波の波長の短いものは細胞内で活性酸素を発生させるため、悪性腫瘍の発生と治療に関係すると考えられていて、がん治療などに使われています。
紫外線は、日焼けとビタミンD産生に関係しています。紫外線自体は殺菌効果があり、長時間人が浴びていると、皮膚などに悪影響を及ぼしますが、食物では摂取できないビタミンDは紫外線を浴びることで体内で生産できます。
一般的に「電波」と言われているものは、電磁波のうち、赤外線より波長が長く、自然現象ではなく人工的なものを指す傾向があるようです。
電磁波の健康被害について公式見解
電磁波は人体に健康被害を起こすのでしょうか。
電磁波で問題視されているのは、電磁波を浴びることで循環障害、代謝障害、炎症、がんなどの腫瘍の原因になるとされています。
病気の原因はもともと病気になる原因を持っているもの、環境によって病気になるものがあり、電磁波は環境によっ病気になる環境因子だといえるでしょう。
実は身の回りの電磁波を発生している電気機器と同じように、 人体にも電磁波が発生しています。しかし、人自身が心臓や筋肉を動かすために作っている電気は影響は小さいと考えられています。
電磁波について世界の主要な研究機関などの発表によれば、電磁波はがんなどの原因になると考えられているが、科学的な根拠がない。原因ともいえるが関係がないともいえる。
という、すごく曖昧でどっちなのかわからないのが、現状です。
各研究機関は今も電磁波について研究していますので、いずれははっきりすると思いますが、現在ではそれほど神経質になるものではないでしょう。
電磁波過敏症の症状と診断方法
電磁波は目に見えないだけで、色々な電化製品から電磁波も漏れています
そして電磁波に囲まれた場所で、めまいや吐き気などの症状を訴える人がいます。
これらの症状を訴える人たちを「電磁波過敏症」といっていますが、電磁波過敏症には統一された診断基準はまだ見つかっていないのが現実です。
また、症状は自己申告だけなので、実際に症状を訴える人が電磁波過敏症かどうか診断できないのです。
電磁波過敏症の疑いがあるに人に対しては、電磁波の影響を見る実験として、電磁波の有無を被験者に知らせない状態にして、電磁波を出したり、電磁波をなくしたりして様子を見たりします。
その中で実際に電磁波のない状態でも電磁波過敏症の症状を訴えることがあります。
このため、電磁波過敏症は電磁波を意識することから症状が出るもので、実際の電磁波によって症状ではないのではないかと考えられています。
なぜ電磁波が健康被害を起こすと考えられているか
電磁波だけでなく健康被害を起こす因子がある中で、電磁波に関しては気にしなくてよいと公式な発表があるのに、なぜ電磁波は一部でずっと健康への危険性が騒がれるのでしょう。
それには疫学、実験と証明の難しさが関係しているのでないかと思われます。
電磁波と疾患に関する話は、疫学調査の考え方や専門用語に関する知識が要求されるために、非常に理解が難しいのです。
電流、磁気と疾患に関する疫学で取り上げられるのは、実際に症状を起こし、電磁波過敏症と診断された症例が少なく、疾患が限定されています。
そのため同じ症状が出ても患者ごとに自己申告として、すぐに異なった結果が出てしまうのです。
放射線の場合は、個人の被曝量を測定するためのガイガーカウンターという道具があります。
そのため計測するために、医療関係や電子力発電所では、写真フィルムが入ったバッジが使用されています。
しかし電磁波の場合、個人の被曝量を測定する簡易な道具などはありません。
現在のように身の回りの家電製品から電磁波が出ている状態では、被曝量を推定して計算する方法もありません。
そのため「電磁波が健康に対して全く影響がない」という証明をすることも、「影響がある」という科学的に証明をすることは難しいのです。
私たちは生まれたときから電磁波の世界にいる
それでもいくら電磁波が心配ないと言われても、やはり歴史から考えると人工的な電磁波の存在は新しいもので、科学的に証明できないとなるとやはり電磁波が心配だという人もいるのではないでしょうか
実は現代社会は屋内も屋外も電磁波で溢れています。
電気が流れれば電磁波が発生しますのでパソコンや携帯電話、電子レンジだけではなく電化製品全部が電磁波を発生させています。
電子レンジは中の電磁波が外に漏れないようになっているので、故障しない限り電子レンジの外で何かが熱くなるようなことはありませんが、掃除機、冷蔵庫、スピーカーなどの、ごく日常的に使っている電化製品からも電磁波は漏れています。
IHクッキングヒーターは磁場を作る機器なので使用中は当然ですが電磁波も発生しています。
電磁波を減らすグッズはあるのか?
以前ですが電磁波に関連したグッズで流行した電磁波遮断エプロンがあります。
パソコンの前に座って仕事をするときにそのエプロンをかけると、電磁波を遮断するというものでした。
しかし、周りでみんなパソコンを使用していればいたるところから電磁波が出ているので、エプロンでは電磁波を遮断することは難しいでしょう。
また、噂のレベルですが電磁波に当たりすぎると、子供は女の子だけが生まれてくるというのも信じられていました。
おそらく身の回りでたくさんある電磁波をすべて遮断することは出来ないと思われます。
では、浴びる電磁波を減らすことは出来るのでしょうか。
電気が流れていれば電磁波が発生するといいましたが、つかっていない状態の家電はすべて電源を切る。予備電源も含めてですね。
そうすることで浴びる電磁波をかなり減らせると思いますし、エネルギーを節約するエコにもなると思います。
人体からも出ている電磁波と自然につきあう
色々と電磁波を考えていましたが、多くの電磁波にさらされながら、ほとんどの人は毎日何もなく健康に過ごしています。
電気ウナギなどには遠く及びませんが、人間も生活するうえで筋肉や、心筋、骨格筋から電流を作り出しているのです。
脳から出る指示は微量の電流なのです。
環境として電磁波が多く存在していますが、自然界にも電磁波は存在しているのです。
電磁波がどうとか細かいことを考えると、それだけでもストレスになってしまします。
あまり深く考えるのはやめて生活してみてはいかがでしょうか。