安全性の高さや環境に対する配慮など、様々なメリットがあり、維持費を含めたコスト面でも見直しが進んでいるのです。

自然素材を使って建てる住宅は、鉄筋などの住宅と比べて環境に優しいということもポイントに上げられます。

 

 

1.健康に良く安心感がある

 

自然素材を使った住宅には次のような健康面へのメリットや安心感があります。

 

1-1.最新建材や塗料がアレルギーの原因となることも

 

自然素材を使った住宅のメリットに健康への配慮があげられます。アスベストに代表されるように最新の素材としてもてはやされた建材などが後になって有害とわかったケースも多く、健康に対する影響を調べることは容易でないとされています。

勿論今では、建築に使用される建材はほとんどが健康面に配慮されたもので、安全性に対しても厳しい基準が設けられ、その厳しい基準を建材メーカー等はクリアし、安全性は飛躍的に向上しています。

 

しかし、それでも自然素材の安全性の高さにはかなわないという部分があるのです。

 

これは木材などの自然素材が有史以前から人間と深いかかわりがあり、安全性の高さを実証してきた実例があるためです。科学が進歩しても原因不明の病気やアレルギーを発症する例も多く、シックハウス症候群を始め大きな問題になっています。シックハウス症候群は原因がわからない場合もあり、家の何かが原因としかわからない場合もあります。

新築にせよ中古にせよ、家は一生に関わるほどの大きな買い物です。子供や孫にも受け継ぐ資産であり、その子供や孫に対して悪影響を与えては本末転倒です。

シックハウス症候群は自然素材の家であれば起こる可能性はほとんどないのが特徴です。

 

壁に使われる塗料など、化学物質がアレルギーの原因になることもあるため、安全面に配慮できるのが大きなメリットの一つになっています。

 

1-2.自然素材ならではのぬくもりがある

 

自然素材の家には作った人や加工に携わった人のぬくもりがあるのも特徴です。木材で作った家であれば木目から気の生命力を感じることや、漆喰の壁であれば壁の塗り方に個性を見出すこともできます。

自然素材は呼吸をしていることも特徴で、適度に湿度を吸収し、排出することで変化していきます。

年月を経てば経つほど艶が出てくるなど見た目にもプラスの影響がある場合も多く、適度に水分が調整されることによってより丈夫になっていくのです。

 

そして年月が過ぎても触れた時の質感を楽しめるだけでなく家自身が歴史を刻み、成長していくのも自然素材の家の大きな特徴かと思います。

 

 

2.環境に優しいのもポイント

 

自然素材を使って建てる住宅は、鉄筋などの住宅と比べて環境に優しいということもポイントに上げられます。

自然素材の家は環境にも優しい?

 

自然素材を使って建てる住宅は、鉄筋などの住宅と比べて環境に優しいということもポイントに上げられます。

 

2-1.自然に返せるのが大きなポイント

 

自然素材の特徴の一つに、自然にあるものを使っているからこそ自然に返せる点があります。最新の建材などは化学物質を合成したものや特殊な加工をしたものが多く、土に分解されないものも増えています。これは耐久性の上では大きなプラスですが、より長い地球環境を考えた際にはマイナスという見方もできます。

将来的に自然に返せないものを作って、人間以外外の誰がそれを処理するのかという問題にもつながるからです。丈夫だからこそ解体処理に費用が掛かるだけでなく、処分にもコストがかかることもあります。もし解体するとしたら、子供や孫世代であり、未来にそう言った負担を残していいのか不安に思う人も存在します。

 

自然素材であればそう言った悩みから解放されます。木の柱はいずれ土に返り、土壁も砕けば大地に戻ります。特殊な処理などをしなくても良いことから余分なコストがかからず環境に優しいのも特徴なのです。また、古い木材であれば新しい家の素材にも使えるメリットもあります。長い年月に耐えた木材は建材としても優秀なだけでなく、独特の風合いから愛好する人も多いのです。

古民家の再生などに使われるだけでなく伝統工芸の素材として使われる場合もあり、資産的な価値も残っていきます。日本ならではの文化や建物を継承していく、文化面でもプラスもあるのが特徴です。

 

3.自然素材で造る家って実は・・・

 

住宅を建てることは、とても大きな買い物をするということです。誰もがなるべく安く、費用を抑えたいと考えます。自然素材を使って建てる住宅は、高いイメージを持たれる方もいると思います。では、実際のところはどうなのでしょう。

 

 

3-1.自然素材は替えの素材を手に入れやすいのもポイント

 

自然素材の家のメリットは維持コストが安く済むことです。これは、家の素材が自然にあるもので出来ているため、補強などが簡単に行えるためです。最新建材で補修しようとすると補修箇所だけでは目立ってしまい、それ以上のとなると壁一面や、部屋丸ごとなど非常に大きい範囲に影響が及びがちです。

しかし、自然素材の家は必要な部分を必要なだけ補修するだけで済むため、手を入れながら長く済むことができるのです。文化財に残るような木造建築物が日本に多く残されているように、自然素材の補強や補修の技術も日本には受け継がれています。家が古くなったからと建て替えたり住み替えたりすることなく、補修をしながら長く住み続けられるのが自然素材の家の特徴なのです。

鉄筋コンクリートも丈夫ですが、そう言った意味では木材にかなわない所があります。日本人は樹木や自然素材で利用し家を建ててきた民族のです。

家を維持するための技術にもたけており、長い目で見ると木材などの自然素材で家を造った方が維持コストなどは安く済むことも多いのです。

日本の自然素材の家は、高温多湿で四季の変化がある日本ならではの風土で育まれたものでもあり、信頼度も高いのが特徴です。

 

3-2.実は断熱性が高い素材も多い

 

自然素材と一口に言っても様々な素材があり、断熱性や気密性に優れた素材も存在します。様々な工法の組み合わせによっても断熱性を高めることが可能なため、自然素材の家は意外にも低エネルギーで冷暖房を維持することも可能なのです。近年は様々な国の工法や知識を取り入れて、自然素材で作る冷暖房がほとんどいらない家も増えており、大きな注目を集めています。

低エネルギー住宅といえば最新ものばかり注目されがちですが、実は自然素材の家もかなりレベルが上がっているのです。また、光の入れ方なども工夫されていることが多いのが特徴で、光熱費も抑えることもできます。

 

吸湿性等にこだわった素材も多く、気温や湿度などに合わせて室温を調整してくれる効果にも期待できます。自然素材の家で暮らす事によって磨かれる感覚や生活習慣も存在し、生活サイクル自体が低エネルギーになる場合もあります。

自然の素材と対話することによって身につく感覚が省エネルギーの意識や、低コストな生活を生み出してくれるのです。

 

 

4.自然素材での家造りのまとめ

 

日本では国産の樹木や素材を使用して造られてきた自然素材の家が昔から人々に親しまれ安全性の高さが確保されているのが特徴となり好まれてきました。

また、継続的に維持可能なところも魅力であり、長く住むほど魅力が増してきます。建材も自然のものを使うため、無駄なものが生じないのです。

古民家の見直しが進むように、自然素材の家は後世に残す意味でもプラスの意味を持っているのです。

古くから伝わり受け継いできた日本の家造り、現代のように色々な建材があったわけではなく、ましてや工法も木造軸組工法でした。

今となっては、伝統を受け継ぐ職人も少なくなりましたが、昔のように全てを自然素材で造る家は材料を揃えるだけでも容易ではありません。

ですが、住む人の健康などを考え「人と自然との関係を守り続ける」

そんな家造りを後世にも受け継いでいってもらいたいですね。