家の水回りの設備は何を重視して選びますか?これから家を購入したり、キッチンのリフォームを検討したりする際、どのようなモデルにするべきか悩みどころです。

最新の機能がいいのか、それともデザイン重視か。もしくは価格を基準にすべきかどうか、視点は様々です。

ただし、家族全員が毎日使う設備は長持ちすることも条件の一つではないでしょうか?

使用頻度が高く、長く付き合う設備を選ぶなら最新ではなく、いわゆる「スタンダード」と呼ばれる定番品を選ぶのも良さそうです。ここでは、水回りにおけるスタンダード製品について紹介します。

1. キッチンにおけるスタンダードと最新設備、何が違う?

スタンダードな設備は、昔からあるタイプのデザインが中心で、耐久性や使い勝手において優れています。その一方、最新型と呼ばれるのは進化が著しく、デザインや機能面で優れています。まずは両者の違いについて分かりやすく見ていきましょう。

1-1.分かりやすい例えは「システムキッチン」と「オーダーキッチン」の違い

キッチンでのスタンダードを例えるなら「スタンダードモデルのシステムキッチン」があります。それに対し、比較的最新の機能を取り揃えて設定するのが「最新モデル型のオーダーキッチン」です。

システムキッチンとオーダーキッチンの違い
システムキッチン(スタンダードモデル) オーダーキッチン(最新型モデル)
デザイン 調理台、収納、調理器具、シンクなどが一体となった定番のキッチン 個々の要素を選択してカスタマイズできるキッチンの形態
機能性 最新の設備も取り入れられるが、キッチン家電や調理機能、省エネ機能など定番の機能が組み込まれている。 好みや特定のニーズに合わせ、最新の機能を導入できる
メリット 導入が迅速で、施工も比較的簡単。壊れても部品があるので修理しやすい 好みや生活スタイルに合わせてキッチンを自由にデザインできる
デメリット 個々の好みや特定のレイアウトに合わせた変更が難しい 取り付けには時間と手間がかり、修理が難しいケースもある

システムキッチンであっても、使用するパーツを最新にすることはできます。ただしコストを抑えたい場合は、昔ながらの定番デザインになることが多いです。

1-2.キッチンの蛇口もスタンダードと最新設備では異なる

そして、さまざまな設備や機器のあるキッチンでは、使用する部品それぞれにスタンダードモデルと最新モデルがあります。蛇口を例に挙げると以下のような違いがあります。

タイプ 特徴
スタンダードの蛇口 温冷水の切り替えや水量の調節など、基本的な機能がある。シンプルながら実用的で、使い勝手が良い。昔ながらの部品でできていることが多いため、壊れても交換しやすい。
最新機能が搭載された蛇口 タッチセンサーや音声認識機能を備え、手を触れずに水を出すことができ、節水や浄水機能が組み込まれているものも。便利な分、故障したときは修理が難しい。

最新設備は進化が著しく、デザインや機能面での革新が見られます。一方でスタンダードな設備も耐久性や使い勝手において優れており、故障してもすぐに修理しやすいといった特徴があります。

1‐3.スタンダードモデルではなく最新設備を選ぶメリット

キッチン設備に最新のものを導入すると、次のようなメリットがあります。

  • タッチセンサーや音声認識など、最新の機能がある
  • 省エネ効果も高い
  • ランニングコストに優れている
  • デザインがオシャレ

近年ではAIを利用した「スマートホーム」も人気です。これは外にいながらエアコンを付けたり、お風呂を沸かしておくことができるシステムです。キッチンに最新設備を導入しておけば、音声入力で「お湯の温度を40度にして」といった設定もでき、とても便利です。

2. 使用頻度の高い設備はスタンダードモデルを選ぶとよい

最新設備の機器を導入するのもいいですが、最新のものは「故障したときに修理しにくい」「設備においては使い方が煩雑」といったデメリットがあります。

やはりキッチンは毎日使う場所だからこそ、よほどのこだわりがない限りスタンダードモデルの設備がおススメです。ここからは、よく使用する場所にスタンダードモデルの設備を置くメリットについて紹介します。

2-1.シンプルな機能で使いやすく、サイズに安定感がある

スタンダードモデルの設備は、多くの場合昔と変わらない使い方やサイズのままです。そのため最新の新しい設備よりも、以下のようなメリットがあります。

スタンダードモデルのメリット
・使用方法が一目瞭然
・経験があるので誰でも使える
・安定した広さや高さで違和感がない

例えばタッチレス水洗の場合、どうやって水を出したらいいのか最初は分かりにくいです。慣れてもセンサーの調子によっては反応が悪いといったケースも多く、最新機能を導入したためにストレスを感じるケースもあります

またスタンダードモデルはこれまで多くの日本人が使い続けてきた実績があり、日本人が調理しやすい高さや広さがそろっています。自分の身長に合わせたオーダー設備も良いですが、将来子供が大きくなった時にその高さでは合わず、使いにくいことも起こりえます。1㎝程度の誤差であればスリッパを使うなどの工夫をし、スタンダードモデルを導入するのもいいでしょう。

2-2.定番素材で長く使用できる

スタンダードモデルのキッチン設備は、一般的に定番の素材で作られており、耐久性が高いです。素材によっては、傷や変色にも強い特性も持っています。そのため、長期間にわたって頻繁に使われても劣化が少なく、頻繁な修理や交換の必要がありません。

さらに一般的に定番素材はお手入れが容易です。特別な洗剤を使うといったお手入れは不要であり、普段の掃除やメンテナンスが簡単です。これにより、老若男女問わず誰でも使いやすいメリットがあります。

2-3.部品、同素材のものを探しやすい

スタンダードモデルの素材は市場でよく取り扱われており、修理や交換の際に部品の入手が容易です。故障や損傷が生じた場合でも迅速かつ手軽に対応できます。故障の状況によっては修理業者や工務店を呼ばなくても、利用者が調べて簡単に直すこともできるでしょう。しかし最新モデルの場合は、壊れた場合特殊な部品や専門的な知識が必要であり、なかなか修理できないといったデメリットがあります。

さらにスタンダードモデルのデザインはシンプルで汎用性が高いです。戸建てやマンション、大きさなどに限らず、多くのインテリアスタイルに適合します。そのため、長期間にわたってデザインが古びにくく、変化するライフスタイルや好みにも合わせやすいです。

3. キッチンの設備を選ぶ際のポイント

キッチン周りは、たとえスタンダードモデルを選んでもメーカーや種類が多く目移りしてしまうのも。予算や目的を決めないと、理想の設備を得られません。ここからは、キッチンをリフォームしたり、家を建てたりする際の設備選びについて紹介します。

3-1.予算を明確化する

キッチン設備はスタンダードタイプでも、素材や設備によって価格が異なります。キッチンは家の設備の中でもかなり予算オーバーしやすいので、以下のようにしてしっかり予算を組む必要があります。

予算を組む際のポイント 内容
優先順位を決める 優先順位を設定し、どの要素に予算を割り当てるかを決める。例えば、機能性を重視する場合は家電や収納にコストをかけ、デザインを優先する場合は素材や仕上げに予算を割り当てる
最初に予算を確保しておく ローンで支払えばいいという考えは予算がオーバーになりがち。可能であれば予算を予め準備し、その範囲内で金額を決めること
複数のメーカーを比較する キッチン設備は異なるメーカーやブランド、素材によって価格が大きく異なる。工務店にも相談し、自分で導入できるところはオンラインなどで購入する方法も。
追加オプションに気を付ける キッチン設備には追加オプションが多く存在する。必要最低限の機能を優先し、追加オプションをつけすぎないようにしよう

3-2.利用する目的を考え、機能性を重視すること

キッチン設備は、自分や家族の調理スタイルに合わせて、設備を選びましょう。例えば、広い作業スペースが必要な場合はアイランドキッチンが適しています。一方で、効率的な動線を求めるならL字型やU字型の配置が合っています。さらに複数の人が同時に調理する場合は広い作業スペースが必要であり、調理スペースやカウンタートップの広さの確保が必要です。

また、キッチンにどれくらい立つかによっても設備は変わります。1人暮らしでほとんどキッチンに立つことがないなら、最新の設備にお金をかけるのはもったいないでしょう。基本的にはスタンダードモデルの最低限の設備さえあれば、問題なくキッチンは使えます。

3-3.掃除しやすくメンテナンスが簡単な設備を選ぶ

キッチンの設備は耐久性があり、お手入れがしやすい素材や設備を選びましょう。キッチンは毎日使う場所なので、頻繁なメンテナンスが難しいものは避けた方が良いです。ほとんどのモデルはお手入れが簡単ですが、オーダーキッチンの素材によっては傷つきやすいものもあります。

またキッチン設備は使い続けるうちにどうしても修理が必要になります。高性能なものほど修理にはコストや時間も掛かるため、最新設備を導入する際は、万が一壊れた際のサポートがあるのかも確認しましょう。

4.まとめ

キッチンの設備は日々進化しており、最新の設備がどんどん生まれています。しかし使用頻度の高いキッチンだからこそ、故障しやすいような設備はスタンダードモデルの定番品を選んでも良いでしょう。

定番商品を使うことは故障した際も部品が探しやすく、自分でメンテナンスもしやすいです。また使い慣れていることもあり、どの家にもマッチするデザインも魅力でしょう。

キッチンは家の中でも目立つ場所の一つです。家のインテリアデザインに合った最新設備も魅力ですが、定番の実用性も備えたスタンダードモデルもぜひ検討しましょう。