家族が集まるリビングダイニングは家づくりの中でもこだわりたい場所です。昔はキッチンとリビングをわけて2つの部屋を作る間取りが一般的でしたが、近年ではリビングキッチンと呼ばれる大きな間取りが人気です。
ただ、家を建てるとき、リビング以外の部屋数をどうしようか迷う人もいるでしょう。最近では壁や扉を作って部屋数を多くするよりも、広々とした大きなスペースを作る間取りが人気です。今日は部屋数を少なくするメリットや、家を建てるときの部屋数の選び方などについて紹介します。
1.家を建てるときに迷うのが部屋数
戸建て住宅を建てるときに、多くの人が迷うのが部屋数です。
例えば、将来子供は3人欲しい、そう考えると子供部屋は3部屋必要なのではないか?
3 LDK より4 LDK にして、客間があった方が何かと便利ではないか?など。
しかし近年における部屋数は減少しており、 4LDKより3LDKのほうが住みやすいという意見は多いです。これがどういうことなのか、見ていきましょう。
1-1.昔は部屋数が多いほうが良いとされていた
平屋が多かった昭和初期の時代、部屋数は多いほうが生活しやすいと考えられていました。
国民的アニメであるサザエさんの家の間取りはなんと5 DK。夫婦の部屋がそれぞれ二部屋、そして子供部屋が一部屋、みんながあつまる茶の間が一部屋、そして台所があります。なぜこれほど部屋数が多かったのか。それには次のような理由があるからです。
- 家族の人数が多かった
- 訪れる客や親戚も多かった
- 部屋数が多いほうがお金持ちという印象があった
- ベッドやソファーがないので小さな部屋を作ることができた
このような理由を見ていくと現代社会とは全く真逆であることがわかります。今では核家族が増えて住む人の数は多くても4人程度、ネットもあることから、家に人を呼ばなくてもコミュニケーションが取れます。
また欧米の家具が主流になったことから、4畳半といった部屋は狭くなり、部屋数を少なくしてスペースを広くすることが主流になりました。
1-2.和室は建築費用が掛かりやすい
ちなみに昔は一般的だった和室も、今では減っています。
和室には柱や天井板、鴨居などの材料が必要です。木材原料が高騰している今、本格的な和室を作るとなると、かなりコストアップしてしまいます。
そのため最近人気な和室は和洋室と呼ばれるタイプです。壁や天井はシンプルな洋室仕上げにし、障子の代わりに和室ブラインドを貼るといった工夫をすれば、だいぶコストを抑えられます。
またリビングにおけるフローリングの一角を畳にするのも流行っています。自分が横になりたいときや、乳幼児のちょっとしたお昼寝スペースに使えて便利です。
2.部屋数が少ない 広い間取りのメリットとは
核家族が増えたことや、欧米の家具が主流になったことにより、いまでは部屋数を減らして広いスペースを作る家が増えています。本当に部屋数は少なくても大丈夫なのか?そう不安がある人は、まず部屋数を少なくするメリットについて見ていきましょう。
2-1.部屋数が少ないほうがコストは掛からない
家を建てる際に部屋数を多めにするとそのぶんコストは高くなります。当然ながら部屋を仕切るには、木材や間仕切り壁などの建材が必要であり、その分建築費用がアップします。
また部屋が多ければ多いほど、その部屋に合わせた冷暖房も必要です。設置するにもコストが掛かり、それを使うたびにランニングコストも発生するでしょう。 しかし部屋数が少なければ設置する暖房器具も少なくて済むので、冷暖房費も抑えることができます。二つの部屋を作るより、広めのワンルームを作るプランにしたほうが、何かとコストを抑えられます。
2-2.リビングが広いとのびのび過ごせる
特に広い間取りで人気なのがリビングです。昔はキッチンやダイニング、リビングといったスペースで分けられていることもありましたが、壁があるとその分スペースが狭くなり、移動するのも億劫です。
その点ダイニングキッチンとして部屋を一体化すれば、部屋に開放感が生まれ、もっともくつろぐスペースにゆとりができます。また家具を置けば仕切りがなくても自然と部屋が分けられるので、ワンルームでも支障はありません。家族の顔を見ながらそれぞれがゆっくりくつろぐことができます。
2-3.空き部屋が生まれず部屋を有効活用できる
客間があったほうが何かと便利、そう思って部屋を作ったが、実際は物置になってしまったといったケースは多いです。
部屋数が多くて便利なのは、ほとんどの場合家族が多いケースです。あとは物置になってしまうことが多く、そうなると開かずの間として掃除もされず、せっかくの部屋も活用されません。仕事や趣味で必ず使うと決まっている他は、部屋数を少なくしたほうが有効活用できるでしょう。
2-4.掃除がしやすい
家の掃除は当然ながら部屋が多ければ多いほど手間がかかります。
例えば掃除機をかけるにしろ、ワンルームの広いスペースなら一度に掃除機をかけることができるでしょう。しかし部屋が個別で分かれていると、部屋の仕切りをまたいで掃除機をかけ、コンセントを抜き差しし…といった手間が掛かります。また、部屋には窓がついていることも多く、その窓ふきや開け閉めなどが必要になるでしょう。掃除や片付けの観点から見ても、部屋数は少ないほうが楽です。
3.3LDKと4LDKで迷ったときのアドバイス
戸建て住宅を建てる際、部屋数を3LDKにすべきか、4LDKにしようか迷う人は多いです。ちなみにLDKとは「L=リビング、D=ダイニング、K=キッチン」のこと。これにプラスして部屋を3つか、4つ加えようか迷う方は多いです。ここからは、3LDKと4LDKのそれぞれのメリットやデメリットについて見ていきましょう。
3-1.家族5人程度なら3LDKでも大丈夫
家の大きさにもよりますが、戸建て住宅の多くは3LDKで生活は成り立つと言われています。部屋が3つあるということは、通常では夫婦の寝室、そして子供部屋が2部屋というパターンです。そのため子供は2人までというイメージもありますが、3人子供がいても2人で一部屋を使ってもらえばそれほど問題はありません。
子供部屋は絶対に必要だと思われがちですが、実際に子供部屋を使う年数はおよそ10年です。子供が独立したあと、その部屋をどうするかを考慮すれば、おのずと3LDKでも多くの場合問題ないでしょう。家族が5人までなら、一部屋を大きくして部屋数を狭くしたほうが生活しやすいことも多いです。
3-2.4LDKのメリット・デメリット
部屋数の多い4LDKは、家族が多い家庭に向いています。
4LDKのメリット
- 子供それぞれに部屋を与えることができる
- 客間や趣味の部屋として使える
- 物が多い家にも物置部屋として使える
ただその一方、冷暖房機器を各部屋に設置しなくてはならない、子供が独立したあと残った子供部屋をどうするか、といった問題もあります。
ただ4LDKは部屋数が多いため、子供夫婦と同居して生活できる、親戚が泊まりに来た時も向かい入れやすいといったメリットもあります。最近では余った部屋を外国人観光客向けの民泊として活用する人も増えているでしょう。
4LDKが向いている家庭は、子供の人数が多いのはもちろん、来客が多かったり、趣味の部屋がほしかったりする人に向いているでしょう。
4.部屋数は少ないほうがコストは抑えられる
家を建てる時に部屋数をどうすべきか迷ったときは、掛かるコストと将来のことを考えたうえで検討しましょう。部屋数が少ないほうが建築費用は抑えられ、暖房費などのランニングコストも抑えることはできます。
また、近年では子供が思春期を迎えたときに部屋を簡易的に仕切ることができる、パーテーション付きの間取りも人気です。あらかじめ部屋を広くしておき、必要な時期が来たらパーテーションで分けるという方法も便利なので、設計者に相談してみると良いでしょう。