暖冬が続いているとはいえ、暖房器具無しではとても冬は越せません。暖房することで家の中は暖かく快適になるけれど出費もかさみます。
快適でコストを安く済ませるためには、やはりお部屋の断熱を重視する必要がありますよね。ここでは、暖房器具のなかでも電気代が安いものをランキングでお伝えしつつ、断熱性をアップさせて暖房費を削減させる方法についてお伝えします。
1.暖房費の気になる冬がやってきた!

日本に限らず各国で温暖化が進んでいます。しかし、やはり真冬には何かしらの暖房をつけなくては快適に過ごせません。とくに北国における暖房費は毎年頭の痛い問題です。この暖房費さえなければ、もっと生活が楽になると考える人も多いのではないでしょうか。
1-1.コロナに原油価格高騰…少しでも暖房費を節約したい
2020年から続く新型コロナウイルスの影響で、収入が大きく減ったり、仕事が変わったりした人も増えました。ただですら生活が不安定のなか、厳冬が来たら暖房費が高騰するのでは?と心配している人もいるでしょう。
またワクチン接種がすすみ、欧米を中心にコロナ禍からの景気回復が順調に進んでいます。それは喜ばしいことですが、それにともない石油の消費も伸び原油価格が急騰しています。このままでは灯油の価格も上がり、ますます暖房費が上がる懸念もあります。こうしたことを踏まえると、今年の冬は暖房費が節約できる家電製品を使うことが重要です。
1-2.暖房器具は目的に分けて大きく2つ
暖房器具は「部屋全体を温めてくれるもの」と「一箇所だけを温めるタイプのもの」に分かれます。
電気代や灯油代がかからない暖房器具を選ぶのは大切です。しかし、例えば湯たんぽは最も電気代のかからない暖房器具のひとつですが、部屋全体を暖めることはできません。家族四人が暖かい空間で過ごすには、湯たんぽでは物足りません。少なくとも、部屋にストーブ1台は必要です。
このように、暖房器具はシーンによって使い分けることが大切です。それを踏まえたうえで、さっそく暖房費の少ない暖房器具を見ていきましょう。
2.暖房費を節約できる家電ランキング

暖房器具は実に様々な商品があります。エアコンや電気ストーブ、コタツや電気毛布など、夏場のエアコンと違い、さまざまな使い分けができるのも暖房器具の特徴です。まずは、エアコンのように部屋全体を温める暖房器具と、こたつなど一か所を温める暖房器具において、電気代の安いものを確認していきましょう。
2-1.部屋全体を温める暖房器具の節約ランキング
まずは、部屋全体を温めてくれる、ランニングコストが低い暖房器具の紹介です。
電気代の安い順位 | 暖房器具名 | 1時間あたりの電気代目安 |
---|---|---|
1位 | エアコン | 2.8円〜53.5円 |
2位 | オイルヒーター | 12.7円 |
3位 | 床暖房 | 11.7円〜25.4円 |
4位 | 灯油ストーブ | 灯油代17円 |
部屋全体を暖める暖房器具の場合、1時間における暖房費はおよそ10~20円かかることが多いです。エアコンがもっとも安いと紹介したものの、実はエアコンの大きさや性能によっては、もっとも電器代が高くなることもあります。一般的に、小さくて古いエアコンを使うとランニングコストは非常に高いです。買い換えたほうがランニングコストを抑えられることは多いので、10年以上経過しているエアコンは一度見直したほうが良いでしょう。
参照 https://enechange.jp/articles/air-conditioner-comparison-stove
2-2.一か所を温める暖房器具の節約ランキング
こたつや電気ストーブなど、1点の場所を温めてくれる暖房器具の節約ランキングは次のようになります。
電気代の安い順位 | 名称 | 1時間あたりにおける電器代 |
---|---|---|
1位 | こたつ | 2.2~4.3円 |
2位 | ホットカーペット | 6.2~8.8円 |
3位 | 電気ストーブ | 12.2~24.3円 |
こたつはこたつ布団をかけることで熱の放出を抑えることから、コストパフォーマンスに優れた暖房器具です。近年では海外でも「KOTATSU」として売り出され、地球温暖化を防止できる暖房器具としても注目されています。
またホットカーペットを敷けば、床暖房のおよそ半分程度の暖房費で済みます。掃除が大変といったデメリットもありますが、ランニングコストを抑える点では床暖房をつけるよりホットカーペットで代用したほうが良いでしょう。
参照 https://enechange.jp/articles/air-conditioner-comparison-stove
3.暖房費を節約するのに最も効果がある意外な方法

このように、部屋全体を暖めるランニングコストの安い暖房器具は「最新型のエアコン」、そして一箇所を温める安い暖房器具は「こたつ」ということがわかりました。
しかしエアコンもこたつも、そもそも部屋の窓が開いていたり、壁から冷気が入ってきたりするとどうでしょうか。どれだけ強い温度設定をしても、外気から寒い空気が入ってしまえば、部屋はずっと冷え続けてしまいます。
つまり、暖房費を節約するには「家の断熱」が重要です。これには屋根や壁に断熱材を施すといった方法もありますが、最も効果的なのは2重窓にするといった窓の断熱です。
3-1.なぜ2重窓は暖かいのか?
雪国において、少し前の家では2重サッシが当たり前でした。これは窓ガラスを2重に設置することにより、外気から入ってくる冷気をしっかりと遮断する効果があるからです。
近年では2重サッシではなく、複層ガラスやペアガラスと呼ばれる窓が主流です。これも2重サッシと同じような役割があり、2枚のガラスの間に乾燥空気を注入することで、室内の熱を屋外に逃がしにくく、外部の冷気を取り込みにくいといったメリットがあります。窓を2重にリフォームすれば、それだけで部屋の空気が逃げにくくなるので、いつもの暖房でもより暖かく感じることができます。
3-2.南側の大きな窓から入ってくる熱を暖房に利用する
窓をリフォームする場合は、日当たりの良い南側の大きな窓をリフォームするのがおすすめです。
そもそも南側の窓は、暖かい日差しを部屋に取り入れてくれます。しかし一般的な窓の場合、暖かい日光を取り入れつつ、外部の冷たい空気を取り込んでしまうというデメリットも。その点南側の窓を二重窓にリフォームすれば、太陽の日差しを取り入れて暖かい空気を逃さなくなるので、暖房の効き目もかなりアップします。また、南向きの窓は、夏の間日射熱が強く暑いです。リフォームをすることで 遮熱・断熱ともに効果があり、エアコンの効きも良くなります。
3-3.気になる複層ガラスの値段
窓を2重窓にリフォームしたい、そんなとき気になるのがリフォーム費用です。窓にはさまざまな種類があり、断熱性が高いほど価格も高騰するので、一概にいくらとは言えません。それでも、ある程度費用を予測することは可能です。
ペアガラスの交換費用 ガラスだけ交換する:5万円前後 サッシごと交換する:10万〜20万円 障子だけ交換する :10万円前後 |
ただ、窓枠周辺の調整や補修工事が発生することも多いため、実際にはこの値段にプラスして工事費用が加算されることが多いです。 また、省エネを推進するため、国では助成金の提供を行っています。各自治体によってはペアガラス導入の補助金をサポートしてくれることもあるので、リフォームの際には確認してみましょう。
参照 https://findpro.jp/glass/pairglass-exchange#h2-2
3-4.自分でできる断熱方法もある
部屋の断熱を高めるためには、複層ガラスを取り入れることが有効です。しかしなかなかそのコストを捻出できない、ということもあるでしょう。そんな場合は、自分で手軽にできる断熱方法を取り入れてみましょう。
- 窓のカーテンを厚手のものに変える
- 断熱シーツを窓に貼る
- いわゆるプチプチと呼ばれる梱包材を雨戸の内側に貼る
- 床にじゅうたんや断熱シートを敷く
カーテンを厚手のものに変えるだけで、部屋の冷たい空気は外に逃げにくくなります。また意外と知られていないのが、プチプチの梱包材を窓や雨戸に貼る方法です。これだけでも夜間、温められた部屋の空気は逃げにくくなり、断熱効果はアップします。荷物などで梱包材が手に入ったら、小さな窓に貼るだけでも良いので試してみてください。
4.暖房費の節約には部屋の断熱性を見直そう

暖房費を抑えるためには、ランニングコストのかからない暖房器具を選ぶかが大切です。しかしそのような暖房器具を選んでも、部屋の断熱がされていない場合はあまり意味がありません。
特に寒い空気は大きな窓から入りやすく、窓を断熱化するだけで今ある暖房器具の効果がグッとアップすることも多いのです。
いきなり窓をリフォームしなくても、厚手のカーテンをつけたり、窓に簡易的な断熱材を貼ったりするだけでも効果はあります。暖房費の節約にはまず「部屋の断熱」ということを忘れずに、できることから始めていきましょう。