観葉植物は、単なる飾りではありません。部屋に癒しと生命力をもたらし、私たちの暮らしを豊かにしてくれます。

緑色は視覚的な安らぎを与えストレスを軽減する効果に期待できます。また、植物が持つ空気清浄効果により快適な室内環境を作る役割もあります。

しかし観葉植物をどう飾ればいいか分からないという人もいるでしょう。ここでは初心者でも簡単に挑戦できる、部屋に観葉植物を置くポイントについて詳しく紹介します。

全体参照:おしゃれな観葉植物20種をプロが厳選!インテリアに映える飾り方とは?

1.おしゃれに見える「飾り方」の基本ルール

観葉植物は部屋にただ置くだけでもちょっとしたインテリアになります。おしゃれに見せるには「高低差」と「グループ化」を意識した飾り方の基本を覚えましょう。

ポイントは、異なる高さの植物や、鉢スタンドを使い、空間にリズミカルな段差を付けることです。目線の高さや、床に置く大型のもの、棚に置く小型のものなど複数の視点で配置するのがコツです。

また、数種類の植物をまとめて置くことで小さなグリーンのゾーンを作り出すと一気に洗練された印象になります。鉢カバーの色や素材を統一すると雑多な印象を防ぎ、統一感が生まれます。

飾り方の
基本テクニック
設置方法、効果
高低差をつける 高い箇所と低い箇所にグリーンを置くと、空間に奥行きとリズムが生まれ、植物一つ一つの存在感が際立つ
鉢カバーを統一する 視覚的なノイズがなくなり洗練される、インテリア全体に統一感と落ち着きが出る
グループで飾る 数種類のグリーンをまとめて置く。癒しのゾーンが強調され、印象的になる。小さな植物でも集合させることで迫力が出る

基本的に観葉植物は丈夫で枯れにくい種類が多いですが、部屋の状況によっては適さない植物もあります。

植物を枯らさないためにはまず自分の部屋の環境を知ることが重要です。

  • 日当たり:窓際の日照時間は何時間か
  • 温度:冬場の最低室温は何度になるか
  • 風通し:換気ができているか

観葉植物の多くは、熱帯・亜熱帯地域原産で日当たり、湿度、温度に敏感です。

これらの条件をチェックし、それに合う耐陰性の高いものや耐寒性のあるものを選びましょう。特に日当たりの悪い部屋では日陰に強い品種を選ぶか、定期的に日光浴をさせる工夫が必要です。

2.初心者でも安心!育てやすい人気のおしゃれ品種

観葉植物を始めて育てる人には、部屋の環境がどのような状態でも枯れにくく育てやすい品種がおすすめです。ここからは、初心者でも育てやすい植物を厳選して紹介します。

2-1.育てやすさ抜群!人気の定番品種3選

観葉植物を初めて迎える方や忙しくて細かな手入れが難しい方には、手間がかからず丈夫な定番品種がおすすめです。

以下3つの植物は環境の変化に強く、初心者でも安心して育てやすい植物です。

おすすめ植物 特徴 インテリア傾向、メリット
サンスベリア 乾燥に非常に強く水やりはほとんど不要です。シャープな葉がモダンな部屋に合います。 モダン、シンプル 乾燥に強い、空気清浄効果が高い
モンステラ 耐陰性があり大きな切れ込みのある葉がおしゃれです。水やりは土が乾いてからでOKです。 北欧、リゾート 葉が大きくおしゃれ、耐陰性がある
アイビー 生命力が強く、多少手入れを怠ってもすぐに枯れることが少ない品種です ナチュラル、ボタニカル 玄関やトイレなどのハンギングに最適

2-2.部屋のテイスト別!おしゃれに見せる植物選び

観葉植物を選ぶ際は、部屋のテイストに合わせて選ぶと、よりおしゃれに統一感のある空間になります。植物の持つ葉の形や色合いだけでなくその場所に必要な機能性も考慮しましょう。

置き場所・用途 おすすめの植物例 選び方のポイント
リビング
(シンボルツリー)
ウンベラータ、オーガスタ、ゴムの木など 大型で存在感があり、葉が広いものを選ぶ。大型の観葉植物は部屋を一気にモダンな雰囲気に彩ってくれる
和室・和モダン エバーフレッシュ、 ガジュマル、モンステラなど 幹の曲がりや、繊細な樹形が空間に調和する。日当たりの状況に応じて選ぶこと
トイレ・玄関
(日陰)
サンスベリア、アイビー、アグラオネマなど 耐陰性が高く、こまめな水やりが不要な種類を選ぶ 日陰に対応する植物は夏の間だけ楽しむなど、切り花として楽しむ感覚もおすすめ
キッチン
(湿度が高い)
アジアンタム、ミント、バジルなどのハーブ類 湿気を好み、小型で清潔感のあるものを選ぶ バジル系など食用として楽しめる植物もおすすめ

2-3.水やりと日当たり:枯らさないための超基本

「観葉植物を枯らしてしまった」というケースは、水やりの失敗であることが多いです。

ほとんどの観葉植物において、水やりは「土が乾いたら、たっぷりと」与えます。土の表面が白っぽく乾燥してから鉢底の穴から水が出るまで与えます。ただし受け皿に水を溜めっぱなしにすると根腐れの原因になるため必ず捨てましょう。

また、植物は日光がないと生長できません。耐陰性のある植物でも、週に数回は窓越しの明るい場所で日光浴をさせます。真夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、レースのカーテン越しなど柔らかい光を与えるようにしましょう。

3.置き場所別!おしゃれに見せる飾り方アイデア

さっそくここからは、部屋ごとに見たおしゃれな観葉植物の飾り方の具体例を紹介します。どの場所にどの植物を置くかはお好みで構いませんが、次に紹介する飾り方を参考にすると、より枯れにくく素敵なインテリアになります。

3-1.リビング:大型植物で視線を集中させる

リビングは家族や来客が集まる家の中心となる場所です。ここに大型の観葉植物を置くことで空間の主役となり、視線をグリーンに集中できます。

ソファの横や、テレビボードの端などフォーカルポイント(焦点)となる場所にシンボルツリーとして置くのが効果的です。

また大型の植物を選ぶ際は、高さだけでなく葉の広がりも考慮し圧迫感が出すぎないようにしましょう。枝が広がるウンベラータや、存在感のあるストレリチア・オーガスタなどが人気です。

さらに床から少し浮かせた鉢スタンドを使うと、掃除がしやすくなるだけでなくより立体感が出るのでおすすめです。 

3-2.玄関:日陰に強い植物で印象を良くする

玄関は家の顔でありながらも窓がなく、日当たりが悪いケースが多いです。しかし、ここにおしゃれな植物を置くことで運気アップ効果や、暗い玄関の印象を変えることもできます。

玄関に置く植物は、耐陰性が高く寒さに比較的強い品種を選びましょう。具体的には、アグラオネマやアイビー、パキラなどが適しています。

スペースが限られている場合は背の高いスリムな鉢を選ぶか、壁掛けのウォールグリーンを活用すると良いでしょう。

また光沢のある葉の植物を選ぶと玄関の照明を反射し、暗い空間でも生き生きとした印象になります。

3-3.キッチン・サニタリー:吊るす(ハンギング)収納の活用

キッチンやサニタリーは湿度が高く、スペースも限られています。そこでこのエリアには「ハンギング(吊るす)」収納が有効です。

ハンギングに適しているのは、アイビーやポトスなどのつる性植物です。棚の上や窓辺のフックに吊るすことで床面積を占領せずにグリーンを楽しめます。

またキッチンは、ハーブ系のミントやバジルなどを小さな鉢に入れまとめて飾ると、見た目も可愛らしく料理にも活用できます。水回り特有の湿気を好む植物を選べば、手入れの手間も減らせます。

4.ランクアップ!鉢カバーと飾りアイテムの選び方

観葉植物はそのまま飾るだけでも存在感がありますが、鉢やスタンディングツールを工夫すると、さらにインテリアとしての存在感があがります。

4-1.鉢カバー選びがおしゃれの決め手

観葉植物をおしゃれに見せる上で最も重要なのが「鉢カバー」です。 

例えばプラスチック製の鉢をそのまま置くと生活感が出てしまいますが、柄の入った鉢や陶器製の植木鉢を使うことで印象はガラリと変わります。

また植物によってはガラスの陶器にサンゴの砂で育てることも可能です。水だけで育てることができるうえ、見た目もとてもオシャレになります。

鉢カバーは、部屋のインテリアに合わせて素材やデザインを選びましょう。

鉢カバーの事例
・北欧・ナチュラル系:ラタンやシーグラスなどの天然素材
・モダン・シンプル系:陶器やセメントなど、無機質な素材
・インダストリアル系:ブリキやアイアンなど、金属素材

4-2.スタンドやシェルフで魅力を引き出す

植物でおしゃれな空間を作るには鉢スタンドやディスプレイシェルフの活用もおすすめです。

鉢スタンドは、植物を床から少し持ちあげて高さを出すことで、視線を集めより存在感が出ます。アイアン製や木製のスタンドなど種類は豊富なので、部屋の雰囲気に合うものを選びましょう。

また、小さな植物を複数飾る場合はオープンシェルフ(見せる棚)を活用し、他の雑貨や本と一緒に飾る方法もあります。見える箇所に緑を集中させることで、より統一感のある「グリーンのコーナー」が完成するでしょう。

5.今日から始めるグリーンライフ

今回は観葉植物で室内をおしゃれにする方法を紹介しました。

観葉植物は私たちの空間を彩り、癒やし、そして生きたデザインを与えてくれるアイテムです。

まずは、部屋の日当たりとスペースに合う「育てやすい一鉢」を選ぶことから始めてみましょう。見える場所に緑があるだけで、生活にうるおいと癒しを与えてくれるはずです。