気温の急激な変化によって天気が荒れる日が増えています。近年では1時間違っただけでも、道を挟んだだけでも天気の急変は驚くほど違います。
強風によって起こる事故は様々です。家の内外で起きる事故にはどのような対策をしておけば良いのでしょうか?ここでは強風による家の被害を防ぐ方法について紹介します。
1.強風による家の被害が増えている
異常気象が続く近年において、突然台風並みの突風が吹く日も増えています。
特に台風シーズンになると、強風や大雨による住宅被害が増加します。特に強風による損害は、屋根の剥がれや窓ガラスの破損、外壁の損傷など多岐にわたります。これらの被害を未然に防ぐためには、事前の対策が重要です。
1-1.台風による家の被害の種類
強風が引き起こす被害は、大きく分けて「風害」「水害」「高潮害」の3つがあります。
風害
強風によって屋根が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりする被害。飛来物による損傷も含まれる。
水害
大雨による浸水や、排水の逆流による家屋の被害。
高潮害
海沿いの地域で発生しやすい現象で、台風の影響で海水が押し寄せ、建物や土地が浸水する被害。
いずれの被害も家に大きなダメージを与え、状況によってはその家には住めないほどの被害が生じます。一度被害を受けるとそれをもとに修復するには大きなコストと時間がかかります。災害が続く日本においては、いかに被害を予防するかがポイントです。
1-2.家を守るために強風対策が必要な理由
強風は建物や周囲の環境に大きな影響を与えるため、適切な対策が必要です
たとえば強風が生じると屋根材が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりする可能性があります。屋根そのものを頑丈なものに取り換える、とりあえずガラスに飛散防止フィルムを貼るといった方法があります。
2.強風から家を守る5つの方法
さっそくここからは、強風から家を守るための5つの方法を紹介します。
コストをかけて家全体をリフォームする方法もありますが、今日から簡単にできる対策方法もあるためぜひ参考にしてください。
2-1.屋根を強化する
強風時に最も被害を受けやすいのが屋根です。特に瓦屋根やスレート屋根は、強風で飛ばされるリスクが高く、しっかりと固定する必要があります。対策としては、以下の方法が有効です。
- 屋根材を風に強い金属製(ガルバリウム鋼板など)に変更する
- 瓦屋根の場合は釘打ちや接着剤で固定し、飛散を防ぐ
- 屋根の点検を定期的に行い、浮いたり劣化したりしている部分を補修する
- 台風時にはブルーシートで応急処置を施すのも効果的
屋根の強化は、一度しっかり施工すれば長期間効果を発揮します。雨漏りが発生した、だいぶ色がくすんできたといった場合はすぐに屋根の補強を行い、強風の対策も講じましょう。また定期的に点検を行い、必要に応じてリフォームしましょう。
2-2.陸屋根の利用、家を四角い形にする
これから家を建てる場合は、陸屋根(平らな屋根)や四角い形状の家も検討しましょう。特に風が強い地域では、こうした形を選ぶことで風害を防ぐことができます。
- 陸屋根のメリット:風の影響を受けにくく、屋根が飛ばされるリスクが減少する
- 家の形を四角にするメリット:突起や複雑な構造を避けることで、強風の影響を最小限に抑えられる
上記はいずれも新築やリフォーム時に検討できる対策ですが、既存の住宅でも屋根の補強を行うことで、強風対策を強化できます。
2-3.窓ガラスの強化とシャッター設置
窓ガラスが割れることは強風時の大きなリスクです。強化ガラスを使用したり、シャッターや雨戸を設置したりすることで、窓を安全に保てます。
対策方法 | 内容、メリット |
シャッターや雨戸を設置する | 窓の外側に取り付けることで飛来物から保護できる。侵入防止や防犯対策にもなる |
窓に飛散防止フィルムを貼る | 窓ガラスにフィルムを貼り、割れた際の飛散を防ぐ。低コストで導入でき、既存の窓にも簡単に施工可能 |
窓を強化ガラスに交換する | 通常のガラスよりも強度が高い素材に変更する。高い耐衝撃性で割れにくい 。 長期的に見て安心 |
窓ガラスの強化対策はさまざまです。
低コストで手軽に対策するなら「飛散防止フィルム」、より高い安全性を求めるなら「シャッター設置」や「強化ガラスへの交換」がおすすめです。自宅の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
2-4.外壁の防水性能を強化する
台風による雨風では、水害が発生することもあります。防水性能の高い外壁材を使い、家を水害から守りましょう。
具体的には防水性能の高い塗料でコーティングすることで、雨水の浸入を防げます。また外壁の点検と補修を定期的に行い、ひび割れや劣化部分は早めに修復しましょう。
自分で屋根や壁全体の塗装をするのは危険かつ難しいため、専門家に任せることが大切です。外壁の防水対策は、台風対策だけでなく、家全体の耐久性向上にもつながります。
2-5.1階部分を駐車場にする
強風による高潮や水害を避けるためには、家の1階部分を駐車場や倉庫スペースにする方法もあります。
特に海沿いや低地に住んでいると、水害リスクが高いです。あえて1階部分を居住空間にしないことで、家財の被害を最小限に抑えられます。具体的な方法は以下の通りです。
- 1階を駐車場にする:浸水リスクを軽減し、洪水時の被害を減らす
- リビングを2階以上にする:床上浸水の影響を受けにくくする
- 排水設備の設置をする:排水ポンプや側溝を設置し、浸水を防ぐ
この対策は主に新築時に考慮するものですが、既存の住宅でも1階部分の使い方を工夫することで被害を減らせます。信頼できる工務店に、我が家の1階部分に浸水のリスクがないか点検してもらうのも良いでしょう。
3.家の中の防風対策
強風の影響は、家の外だけでなく内部にも影響が及びます。
さっそく今日から、家具の固定や玄関や窓の補強など、家の中もできるだけ具体的な対策を行いましょう。
3-1.ベランダや屋外設備の強化
台風時にはベランダや屋外設備が強風で壊れることがあります。屋外の設備やベランダを強化するための工事や、軽量な素材を選ぶことが大切です。
対策 | 具体的な方法 |
飛散しやすいものを撤去・固定する | 植木鉢や物干し竿、ゴミ箱などを室内に収納する。固定が必要なものは重し・ロープで固定する。 |
強風に耐える設計の設備を選ぶ | 軽量で風に弱い柵やパネルを撤去し、耐風性の高いものに変更する。 |
ベランダの排水口の掃除をする | 落ち葉やゴミを定期的に取り除き、水はけを良くする。 |
ベランダや屋外設備の強化は、飛散防止や建物の安全に直結します。強風時に飛びやすいものの撤去や固定、耐風性のある設備を導入するなどして、被害を最小限に抑えましょう。
3-2.玄関ドアと外構を耐風強化にする
玄関は建物の中でも特に強風が吹き込みやすい場所です。そのため強風時でも変形しにくく、密閉性の高い耐風圧仕様の玄関ドアを採用しましょう。これにより風による影響を最小限に抑えられます。また、強風による急な開閉を防ぐために、ドアストッパーを設置し、安全性を確保することも重要です。
さらにフェンスや門扉は風の影響を受けやすいため、頑丈な素材を選び、しっかりと固定しておきましょう。加えて植栽についても強風に耐えられるよう適切に剪定し、倒木や枝の飛散を防ぐことが大切です。
3-3.ハザードマップを活用した土地選びをする
台風や強風の影響をできるだけ避けるためには、最初から安全な場所に住むことが重要です。そのためにはまず自治体が提供するハザードマップを確認し、過去にどのような被害が発生した地域なのかを調べましょう。仮にすでに住んでいるエリアでも、ハザードマップを確認することで水害などのリスクがあるか事前にチェックできます。
また海沿いや川の近くは水害のリスクが高いため、なるべく高台や風の影響を受けにくい場所を選ぶことが賢明です。
こうした事前の確認をすることで、災害リスクの低い、より安心できる住まいを選ぶことができます。
4.強風が来る前にできることを実行しよう
強風の影響を最小限に抑えるためには、 「事前準備」「家の補強」「適切な立地選び」 の3つの観点から対策を考えることが重要です。
- すぐにできること:家具の固定、ベランダの整理、窓ガラスの補強などの簡単な対策をする
- 中期的に検討すること:玄関や屋外設備の耐風化、外壁の補強などを進める
- 長期的な視点で考えること:耐風性の高い住宅設計や、安全な土地選びを検討する
強風の被害を防ぐには、早めの準備が重要です。台風に限らず、近年ではいつ強風が吹くか分かりません。まずは小さな対策から始めて、安全な住まいを守りましょう。
以下参照
https://cleverlyhome.tokyo/column/20230809/
https://lifelulu.jp/news/column/detail/20240906170939/
https://door-reform.jp/strong_wind